WargamingがGas Powered Gamesを買収。

Free-to-Playのオンラインゲーム「World of Tanks」で知られるWargamingが,クリス・テイラー(Chris Taylor)氏の率いる開発スタジオ,Gas Powered Gamesを買収したことを発表した。新作「Wildman」のクラウドファンディングサイトでの開発費調達が失敗に終わり,存続さえ危ぶまれていたGas Powered Gamesだったが,この救世主の登場で,同社は大きな転機を迎えることになりそうだ。

 1998年にシアトル近郊に設立されたGas Powered Gamesは,日本でも知名度の高いアクションRPG「Dungeon Siege」シリーズや,RTSの「Supreme Commander」,MOBAの「Demigod」,そしてFree-to-Playの大人数参加型オンラインRTS「Age of Empires Online」などを開発してきた独立系のスタジオだ。

 2013年1月15日に掲載した記事でもお伝えしたように,そんなGas Powered Gamesは彼らの新作となる「Wildman」をKickstarterに発表し,開発資金を一般から募ったものの,前後して同社が従業員を大量解雇していたことが明らかになり,テイラー氏は,「解雇した仲間を呼び戻すには,このWildmanの成功しかない」と涙を浮かべながら語るムービーを公開し,投資を訴えた。

 しかし,約1か月の募集期間で目標額である110万ドルの半分ほどしか集まらないという結果に終わり,期間終了の4日前となる2月11日,「別の資金源を探す」として企画はキャンセルされた。ちなみに,Kickstarterでは目標額に達しなかった場合,資金は投資者にすべて返されるルールになっている。

 ともあれ,この資金調達の失敗により,Wildmanの開発だけでなく,Gas Powered Gamesの存続さえも危ぶまれていたのだが,今回の買収発表で事態は急展開したようだ。

 Wargamingが設立されたのは,Gas Powered Gamesと同じ1998年のことで,2003年の「Massive Assault」や,2009年にSquare Enixが販売を担当した「Order of War」など,長くPC向けのストラテジーを開発してきたメーカーだ。

 2010年にロシアでのサービスを開始した,Free-to-Playのオンラインアクション「World of Tanks」が大きな成功を収め,現在はヨーロッパを中心に800人もの従業員を抱える企業に成長した。

 Wargamingは,1月末にも経営危機にあったシカゴのDay 1 Studiosを買収しており(関連記事),今回の買収で2つの開発拠点を北米に持つことになる。Free-to-Playというビジネスモデルが重要度を増すと予想される今後のコンシューマ機市場への進出を大きな目標としているようで,テイラー氏らの開発ノウハウも十分に活用されることになるだろう。Wildmanの開発継続については明らかになっていないが,Gas Powered Gamesのタイトルが好きな人にとっては一安心,というところだろう。